2011年01月18日

球界の至宝ONをめぐる父子2代の記者物語

 王さんがユニホーム姿で現場復帰した宮崎キャンプで、全く思いがけない記者からあいさつをされ、驚いた。巨人時代の王さんを一緒に取材したH紙のKの息子さんが、S紙の王ホークス担当記者になっていたのだ。珍しい父子2代にわたる王番記者の誕生だ。

 顔を見ると、確かに父親の風貌と似ているところがある。息子にしたら、父親と同年代のオジサン記者は煙たいだけだろうが、ケジメ正しいあいさつをされた。Kはいわゆる世に言う逆玉で、記者をやめ、今は奥さんの実家の家業を継ぎ、成功している。

 H紙時代のKの後輩で今や同じオジサン族に属するH記者など小さな親切、大きなお世話。「お世話になった先輩の子供だから、なんだか自分が父親になった心境みたいで、ちゃんと取材しているかどうか、心配になってしまう」と、宮崎キャンプでは、すっかり父親気取りになっていた。

 父子2代にわたる王番記者で思い起こしたのが、長嶋父子を取材の父子A記者だ。父親はD社の記者でV9巨人を担当、スーパースター長嶋さんの現役時代を取材。息子の方は、父子二代の王番記者の子と同じS社で、長男・一茂氏を取材している。父親の方はすでに引退、息子の方はデスクをやる年代になっている。

 不滅のスーパースターONにまつわる同業者の内輪話だが、王ホークスの宮崎キャンプでN社のベテラン記者から「ONをリアルタイムで取材できてうらやましいですね」と声を掛けられた。確かに日本球界の至宝である、ONを取材できる時代にプロ野球担当記者をやれた幸せは、自ら痛感している。

 と同時に、長嶋一茂氏が立大の最後の試合を終え、プロ入りを表明した時の長嶋さんの喜びようは忘れられない。

 「本当に一茂がプロへ行くって言ったの? うれしい? 当たり前じゃないか。こんなにうれしいことはないよ。一般社会でいえば、家業を継いでくれるのと同じだもの。ましてやウチの場合、一茂には長嶋茂雄という名前が付いて回る、重たいプレッシャーがかかるのに、それを知った上で、プロ野球界に進むことを選んでくれたんだからね。遠くに飛ばすことにかけては、オレよりも一茂の方が才能があるよ」。

 東京・田園調布の自宅前で、満面の笑みでこう語った長嶋さんの姿は今でも鮮明に思い出される。残念ながら一茂氏は「田園調布のお坊ちゃん」などと言われ、プロ野球界では大成しなかったが、タレントとしての才能を発揮。長嶋さんが病に倒れてからは、長男として、立派に長嶋家を守っている。

 王家では、二女の理恵さんが亡き恭子夫人に代わり、胃ガンからの完全復帰を目指す王監督のサポートをしている。偉大なるON。取材する側、される側、それぞれに父と子の、筋書きのないドラマがある。
posted by エジリン at 20:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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