2011年01月14日

球界変えるにはONコミッショナーしかない

 「人事は正式決定するまでわからない」というのは、世の中の常識だ。が、それにしても球界トップのコミッショナー人事は、前代未聞というしかないだろう。

 2年前の9月、労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)が、史上初のストライキ突入を決定。スト収拾に進退をかけていた、2月に就任したばかりの根来泰周コミッショナーは辞意表明。「ただしこのまま投げ出す無責任なことはしない。オーナー会議が次のコミッショナーを探すでしょうから、後任が見つかるまではやりますよ」。

 こう宣言していたが、いつの間にかうやむやになり、来年2月の任期満了まで続投する。「次のコミッショナーのために、権限を拡大するなど、任期中に野球協約の全面的な改訂をする。コミッショナー事務局、セ、パ連盟の3局を1局に統合する」というのが、コミッショナーの今の弁だ。

 現在に至るまでにも紆余曲折。日本経済新聞がスクープ記事として「コミッショナー、任期満了まで続投」と書いたら、巨人・滝鼻卓雄オーナーが否定。「あれだけお辞めになるとおっしゃっているのだから、任期までやられることはないでしょう」と断言していたのに、結果的には、任期満了までの続投になる。

 実は、この滝鼻オーナー発言の裏には、「長嶋茂雄コミッショナー案が、滝鼻オーナーの頭の中にはあった」と、読売関係者が漏らしたが、結局、具体化せず仕舞い。

 しかも、現在の12球団オーナーたちの動きを見ても、いまだに後任コミッショナー探しをしているフシがうかがえない。3年間の任期満了どころか、もう1期続投などとなったら、プロ野球界は、世間の物笑いの種だろうが、ひょっとしたらと思わせるところが、怖い世界だ。

 そもそも球団オーナーたちのコミッショナー人事に対する基本的なスタンスが、間違っているのだから、何が起きても不思議はないのだ。「我々がお金を出しているから、コミッショナー事務局は成り立っている。余計なことをせずに、我々の言うとおりに動けばいい」というのが本音で、いわばお飾りの名誉職になっている。

 オールスター、日本シリーズでのDH採用etc。セ・リーグのオーナーたちと全面対立しながらも、具体的な改革を進めた、タカ派で知られた元駐米大使の下田武三コミッショナーなど煙たいだけ。本人はもう1期やる気満々だったのに、セ・リーグオーナーたちの猛反対で潰されている。

 オーナーたちのリモコンで動くことを期待されるコミッショナーなのだから、球界OB、ファンたちがリーダーシップを望むこと自体に無理があるのだ。何かがあると、必ず「コミッショナーは何をしているのか」という批判が起きるが、実態を知らないから言えることだし、実際に何の効果もない。

 これまで事あるごとに、「長嶋コミッショナーを誕生させろ」「長嶋さんでなければ、王コミッショナーしかいない」と主張しているのは、現状のコミッショナー像を破壊するためだ。日本球界最大の功労者、天下のONを前すれば、オーナーたちも文句は言えない。超ワンマンで知られる巨人・渡辺恒雄球団会長でさえ、2人には頭が上がらずに敬意を表する。

 球界OBならではの、現場の意見をくんだ球界改革案も出てくる。ファンにしても身近な存在としてコミッショナーを感じられ、不祥事の際だけでなく、日頃から関心を持つだろう。長嶋コミッショナー、王コミッショナーの元に、法律の専門家である今の根来コミッショナーなどを事務的な補佐役に置く。そうしないと、いつまで経っても球界は変わらない。
(編集委員・江尻良文)
posted by エジリン at 17:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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